10月26日週の米株相場は大暴落。
10月26日週は大変な1週間で、私もそうですが多くの投資家が含み益を減らしてしまったと思います。



NYダウは26,501ドルまで下落、S&P500は3,269ドルまで下落、ナスダック総合は10,911ドルまで下落しました。
いずれもこの夏以来の水準となる大きな下落となり、大統領選を前に、コロナ感染者増加も加わり、多くの投資家がリスクオフに転じた結果となりました。
(コロナ状況についてはこちらを参照してください)


フランスでもロックダウンに入り、イタリア・スペイン・ドイツなども各国より厳しい制限を決め、EUでの株式相場も下落しました。
私自身も本日からパリで二度目のロックダウン生活に入りました。
最近では5万人もの感染者を出していたフランスですが、今日は35641人と改善傾向にあります。
11月の経済指標・イベント
ご存知の通り、11月3日は大統領選です。
様々な予想が飛び交っており、バイデン有利の見方が強かったのですがここ最近になってトランプ勝利の予測が増えてきたように思います。
日程 | 指標 | 前回 | 予測 |
11月3日 | ISM製造業購買担当者景気指数 | 55,4 | 55,8 |
11月3日 | 米大統領選 | トランプ | トランプ?? |
11月5日 | 失業保険申請数 | 751K | |
11月6日 | 政策金利発表 | 0,25% | |
11月20日 | 中古住宅販売戸数 | 6,54M | 6,30M |
11月25日 | 国内総生産 | 33,1% | |
11月25日 | コア耐久財受注 | 0,8% | |
11月27日 | ブラックフライデー | ||
11月30日 | 消費者信頼感指数 | 100,9 |
コロナ感染者の増加が続く中、各国の追加金融緩和策には多くの投資家が相場下支えの役割を期待しています。
ラガルド総裁は欧州中央銀行(ECB)定例理事会後の記者会見で、12月に追加対策を講じる可能性を示唆しています。
アメリカでは大統領選直後の4‐5日にかけて米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されます。
大きな政策変更は想定されていないようですが、大統領選の結果を巡る混乱で先行き不透明感が高まる場合には(トランプ大統領はかねてから郵便選挙の不正について言及)、5日のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長会見で何らかの発言が聞かれる可能性もあります。
決算スケジュール
アマゾン・フェイスブック・アップルなどの大型決算は既に10月に終えましたが、11月も注目すべき決算があります。
日程 | EPS予想 | 売上予想 | |
11月4日 | QCOM | 1,17 | 5,9B |
11月11日 | JD | 2,7 | 169,7B |
11月12日 | CSCO | 0,7 | 11,7B |
11月17日 | WMT | 1,18 | 131B |
11月17日 | HD | 2,97 | 31B |
11月18日 | NVDA | 2,57 | 4,41B |
11月18日 | CRM | 0,75 | 5,24B |
11月25日 | DE | 1,29 | 7,38B |
11月26日 | WDAY | 0,67 | 1,09B |
上記の決算に加え、11月5日には話題のAnt Group(688688)のIPOがあります(以下アント)。
入札総額はイギリスの国内総生産(GDP)にも相当すると言われていてIPO規模は上海・香港合わせて約344億ドルです。
上海での個人投資家の応募額は約19兆元(2兆8000億ドル)で、アントへの応募倍率は872倍に達しています。
11月はどうするべきか。
11月2日(月)は今週の大きな下落を演じた後、11月3日の大統領選を目前にした相場になります。
あまりに不確定要素が多いため、無理せず「静観」しながら大統領選の結果を待ち、4‐5日のFOMCの結果まであまり動きすぎないほうがいいと思います。
また4日にはQCOMの決算があるので念のため注目しておきたいと考えています。
VIXは依然として高い
VIXはコロナが発生した3月よりはまだ低いですが、6月以来の高い水準です。
平均値を29あたりと考え、それを超える水準である数値である限りは、よほど自信のある投資でなければ「静観」した方がよさそうです。
(10月23日以前は30以下で推移していました)
VIX指数とは
Volatility Indexの略で、シカゴオプション取引所がS&P500種指数のオプション取引の値動きをもとに算出・公表している指数。
一般的に数値が高いほど、投資家が先行きに対して不安を感じているとされる。


10年国債は上がっている
アメリカ10年国債もじわじわと上がっています。
このまま上昇を続け、1%に近づくかどうかはわかりませんが、引き続き注視した方がよさそうです。


11月は感謝祭とブラックフライデーがある。
例年、感謝祭前後は相場は上がる傾向が高く、ブラックフライデー・サイバーマンデーから12月のクリスマス商戦ま消費者の意欲は高まることで小売業が全般的に盛り上がり、株価も支えられていく傾向があります。
しかし、2020年は前代未聞のコロナと不確定な大統領選という大きな要素があるため、これまでの過去の事例がそのまま通用すると考えるのは楽観すぎるかもしれず、とにかく今は焦らず「守り」をしっかり固めることが重要な11月になりそうです。
フランスは現在、12月1日からロックダウン開放という計画となっています。
欧州の経済活動が戻れば(旺盛なフランス人の消費欲により)、また景気回復の機運が高まり、12月のクリスマス商戦に向けて株価は高まる可能性もあります。
11月のまとめ
要約すると、以下のようなポイントが重要になってくると思います。
難しい局面ですが、投資は「自己責任」で。
- 大統領選とFOMCの結果が最初の重要な判断局面になる。
- VIX・10年国債の数値結果は引き続き、注視する。
- 感謝祭・ブラックフライデーに向け、小売業・EC企業の株価に注目したい。
- 「攻め」より「守り」が重要な局面であることは忘れない。