先週のまとめ
今週は何といっても月曜のファイザーのワクチンのニュースが一番の出来事だったと思います。
米株市場はこれまでのグロース株から一気にバリュー株へと資金が流れ、多くの巣ごもり銘柄の株価が下落しました。
一方でエネルギー・フィナンシャル・マテリアルといったセクターに属する銘柄や、航空・レジャー銘柄が急騰しました。
これは脱コロナにより消費が戻るという期待感が一気に高まり、経済活動の活発化によるあらゆる生産の活発化、金利上昇による金融業界の利益改善が予想されたためです。
数日を経て、既にワクチンニュース前の株価に戻ってしまったバリュー株もあり、だからといってその分グロース株が同水準まで買われ直したわけでもありません。
例えばグロース株の中で最も注目され続けたZMは、週半ばで買われ直されつつ、金曜には再び大きく下落しています。
これはワクチン開発に成功したというビッグニュースが届いた一方で、それがいつ普及するのかまではまだ見通しが立っていないため、グロース・バリュー株双方を視野に入れて投資を考えなければいけない市場になったからです。
市場になった、というのは間違いかもしれません。
何故なら、この月曜の出来事を3月から想定し、両方の銘柄をバランスよく仕込み続けた投資家達はいたはずで、そういう聡明な人たちは事前にグロース株を売り抜け、バリュー株の急騰を享受し、さらには急騰後に売り抜けすらして、今また先を見据えているかもしれません。
より詳しい内容に関しては下記の記事を参照お願いします。

11月16日週のポイント
トランプ大統領は、「近々ワクチンが承認される可能性は高いが、すぐには供給されない」と説明しました。
CNBCでも連日のようにワクチンに関するニュースがありますが、今後もその動向は最優先の注目ニュースだと思います。
現状まだ承認される前の段階にありますが、それがいつ承認されるのか、どこにどの程度の数量が供給されるのか、あるいはどの企業のワクチンが最終的に先に承認されるのか、一つ一つのニュースを追いかける必要があります。
経済指標
以下、来週の主な経済指標発表です。
ワクチン開発成功のニュースにより、投資家の関心は「ロックダウン中どのような企業サービスが人々の需要を満たしているのか」から、「脱コロナになったら人々は何をしたいのか」に変わりました。
そしてそれを下支えするのが雇用・消費・生産に関する経済指標になります。
現状、コロナ感染者数は増加傾向にあり、アメリカ一部都市では規制を強化し始めました。
クリスマスに向け、人々の移動にが増えるにつれて牽制する意図もあるでしょう。
来週・今月から経済指標がすぐに改善傾向を示すことはないですが、ワクチンのニュースと相乗効果で投資家を強く動機づける可能性は今度出てくると思いますので毎週注視していきましょう。
前回 | 予測 | ||
11月17日(火) | コア小売売上高(前月比)) | 1,5% | 0,6% |
11月18日(水) | 建築許可件数 | 1545M | 1560M |
11月19日(木) | 原油在庫量 | 4278M | |
失業保険申請件数 | 709K | 719K | |
フィラデルフィア連銀製造業景気指数 | 32,3 | 24 | |
11月20日(金) | 中古住宅販売戸数(10月) | 6,54M | 6,45M |
決算
来週は注目すべき決算がいくつかあります。
私はJDは以前から保有していて引き続き好調、BIDUは先週買いましたので個人的に注目しています。
NVDAは最近値動きが大きく難しいですがARM買収以降、多くの投資家が気にしていると思います。
WMTはコロナ後も勢いを増すはずですし、WDAYも要注目です。
日程 | ティッカー | EPS予想 | 売上予想 |
11月16日(月) | JD | 2,69 | 169B |
BIDU | 13,01 | 27B | |
11月17日(火) | WMT | 1,18 | 132B |
HD | 3,04 | 31,7B | |
11月18日(水) | NVDA | 2,57 | 4,4B |
LOW | 1,97 | 21B | |
11月19日(木) | WDAY | 0,67 | 1,09B |
JD.comに関してはこちらの記事を確認してください。

IPO
今週の アメリカでのIPO案件は 11月19日に予定されているAspire Real Estate Investors (ASPI)のみです。
Bujiness | an affordable housing REIT |
Price | $20 |
Sharing | 15M($300M調達を目指す) |
Info | Net income $67,000 / Revenue $11.55M 昨年同期間 net loss $153,000からプラスに転じてのIPO。 |
まとめ
米10年債利回りは0,898で引き続き若干高い水準(コロナ時と比較した場合)、VIXは23,1とこちらはこの一か月で見れば低い水準ですが、相場の傾向を見ると決してシンプルな傾向を示しているようには見えません。
ワクチンニュースから二週目ということで、私としては基本スタンスとして「静観」していこうと思っています。
その間の時間は改めて、バリュー株の中で財政的に強く、ロックダウンに耐えうる企業、また来期に向けて経営計画がしっかりしている企業のリサーチ、そして主要KPIを確認し直して比較的割高ではない成長企業などを調べる予定です。
私自身、会社員でデイトレードはおろか、一週間単位でもあまり売買はしたくない(出来ない)ので、ワクチンが広範囲に配布されるのではないかと目される2021年4月前後、6か月という単位で利益を確実に伸ばせるPF(ポートフォリオ)を構築中です。